2006-01-01から1年間の記事一覧

チェルフィッチュの『エンジョイ』(3)

今日読んでぐっときた感想について2点ほど。omo-8さんの感想。 http://www2s.biglobe.ne.jp/~omo-8/log/200612.html#20061220第4幕のあり方について 主人公は新宿の漫画喫茶バイトの30代突入トリオ。頭文字をとって年下組に「みかか」と蔑称されている。そ…

食べることと考えること

今日はチェルフィッチュの『エンジョイ』について書くのはお休み。でも一言だけ。ブログを読むと岡田さんは「後悔していない」とわざわざ書いていて、そんなことを言う必要があるような反応がなるほどいろいろあったわけだな、やはり、と思う。。鈴木泉氏が…

チェ『エンジョイ』(2.5)― 舞台と政治についての書きつけ―

チェルフィッチュの『エンジョイ』の件でリンクしてくれた中西Bさんが前回書きかけた「フレーム」うんぬんの話でこんな考察を。 普通の演劇では普通に枠がありますが、美的強度(上演の自律性)が強いチェルフィッチュではそれは普通には必要ありません。です…

チェルフィッチュの『エンジョイ』(2)

岡田利規(って書くとキーワードリンクされるので書いてみた)の新作について。前回も引いた「ブロググビグビ」では、 http://assaito.blogzine.jp/assaito/2006/12/post_607b.html 「始まってしばらくは、いつもとちがうなあということに戸惑ってみてた」と…

チェルフィッチュの『エンジョイ』(1)

『エンジョイ』に関するネット上の感想や批評をグーグルで上位にヒットするものから順番に読み始めた。時間の許す限り年始にかけて丹念に読んでみようかと思っている。今日読んだいくつかについて言及しながら、『エンジョイ』についての考えを進めてみたい…

金魚(鈴木ユキオ)の『犬の静脈に嫉妬せず』 

アゴラ劇場で見る。前に、鈴木ユキオさんは舞踏界隈から「コンテンポラリーダンスに日和った」とか言われたという噂を聞いたことがある。 今日終演後知り合いに「これって舞踏なんですか?」と聞かれて答えに窮したんだけど、「創作理念」「方法論」「様式」…

開演に間に合わない

タイトルを考えるのが好きだ。「開演に間に合わない」というのも、劇評関連のタイトルとして思いついたもの。 今日は、午前中妻と妻が参加している短歌同人誌の方と、年末特別号の発送作業を大急ぎで終わらせて、新国立劇場に駆け込んだ。 席についてちょう…

こんにちは僕の小さな名声

えーっと、本名は明かせない柳沢もぞみです(まちがえた)。仕事に時間をささげつつ舞台もいろいろ見ては居ます。ポタライブファイナルもいくつか見ました。それで、いろいろ書いておかないのはもったいないかな、とも思う。なかでも、五反田団の新作『さよ…

フランケンズの舞台評

先日、ワンダーランドのメールマガジンにフランケンズの公演『暖かい氷河期』について書きました。 http://www.wonderlands.jp/index.php?itemid=560個人的には、強引な類比で押し切る書き方は、チェルフィッチュの岡田さんが「なぎさにゆこう」という企画で…

根津神社で結婚式

今日は根津神社で結婚式をした。神式のしきたりというのは、それなりに日ごろの生活になじみのあるものではあるのだなあと思ったりしながら、最近の神社は指輪の交換なんかもコースに入れていたりするのだった。晴れたのは良かったが、記念撮影のときに日差…

結婚と式

今度の祝日に妻と式を挙げます。と書くと一見どこか正しくない日本語ですが、法律的には届けを済ませているので、既に夫婦で、式はこれからあげるというわけです。教会はいやだ。式場もいやだ。と妻が言うので、神社で式を挙げることに(式自体、あげたいわ…

演劇千年計画のワークショップ発表会

演劇千年計画のワークショップ発表会を見てきた*1 http://web.archive.org/web/20070220095545/sennenkeikaku.net/index2.htm 日時 2006年9月23日(土) 場所 学習院女子大学やわらぎホール講師陣 大岡淳(商品劇場) / 倉迫康史(Olt-d.d) / 志賀亮史(百…

ポタライブ新作をレビュー(批評の不足について反省)

ワンダーランドのメールマガジンに、ポタライブのレビューを書きました。 http://www.wonderlands.jp/index.php?itemid=535&catid=9メールマガジンの前の号では、小澤英実さんがポタライブに言及。小澤さんは、岸井さんの舞台作品の物足りなさを語っていて、…

ジャンルと形式の違い

ますの先生の週間賃貸のCMのことをいろいろと埒もなく考えてしまう今日この頃。 いい部屋みつかっ短歌! それではますの先生にルールを説明していただきます。 57577なのが短歌です 季語があるのは俳句なんです 先生、それも? 短歌です。 しゅーかんチ…

日本語ができるイラク人

斉藤斎藤の短歌作品に、こういうのがあった。 アメリカのイラク攻撃に賛成です。こころのじゅんびが今、できました 短歌界(というか歌壇というか)では物議をかもしたらしく、『短歌ヴァーサス』誌で倫理的だか政治的だかの理由で認めがたいとかなんとか批…

高山れおなの『ウルトラ』

高山れおなの句集を買ってみようかな、評判良いし、とか思い、結局新しいのではなくて第一句集をネットで予約してたのだけど、定価よりちょっと高いくらいで購入して、先月には届いていたものを、今日読み終えた。高山れおな氏の名前は、ロフトプラスワンで…

スーパーマンを巡って

こないだ某FM局でKISSのインタビューを流していて、ライブで花火とか火花とか大量につかってオーディエンスはやけどに要注意だけと俺たちはスーパーマンだから大丈夫だと訳していた。なんかスーパーマンの映画をリメイクするらしいですね。考えてみるとスー…

『プーさんの鼻』のプーさん

『プーさんの鼻』を読み進めていた。このあいだ朝ごはんを食べながらふと、「プーさんというのはぬいぐるみではなくてもいいわけだよな、たとえばプーさんとひそかに呼ばれている男であっても」とか考えた。この歌集では男は間接的に描かれるのにたいして、…

『カンバセーション・ピース』について考えることが小説について考えることのようだし、カンバセーション・ピースの文体をくぐりつつ考えたことを書こうとしていると、「小説」というカテゴライズの後になんだか特定のタイトルを置きづらくもあり、こうして…

王子小劇場「夕鶴」リーディング

http://www.en-geki.com/yuzuru.html の企画を見に行ってきた。小劇場が新作戯曲を公募して上演を後押しするっていうのもすばらしい企画だけれど、そこで評価された作品がリーディング公演という形で上演されるのも興味深いわけで。スローライダーって見たこ…

ムーミンのサイズ(30cm)

『ムーミンのふたつの顔』を読んだ。ムーミンのふたつの顔作者: 冨原眞弓出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/07/26メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (11件) を見るムーミンの作者であるフィンランド人のトーベ・ヤンソンがイギリスの…

将来の夢 reprise

今の会社に入ってしばらくは上司について歩いていたのだけど、二人で社用車という時に「君の将来の夢はなんなんだ」と聞かれた。二度三度聞かれた。いや、四回は聞かれた。それで、最初は、「夢破れて大学院を中退したってところですかね」とか答えた。それ…

東京境界線紀行「ななつの大罪」

明治安田生命社会貢献プログラム 「エイブルアート・オンステージ」 http://www.ableart.org/AAonstage/ 参加事業 マイノリマジョリテ・トラベル presents 東京境界線紀行「ななつの大罪」という企画を見に行ってみた。http://430.mimajo.net/マイノリティと…

向井千恵×田山明子

「duo improvisation」をテルプシコールで。 完全即興ではなかったような感触。歌もあったし。向井さんが踊るのを初めてみた。うかつにも演奏するだけだと思ったのでびっくりして、ダンサー専門じゃない人のダンスってなんだろうだれでもできる範囲の動きと…

大岡信コレクション展

を見に三鷹の美術ギャラリーに。 人と人の関わりのなかにそれぞれの作品がおかれているので、いつも以上に作家の目とか作家の思考というものに意識が導かれるようだった。さっと通り過ぎたつもりが、1時間あまり経っていた。

東京戯園館プロデュース 「蒼穹(そら)はない」

次のような公演を見に行ってきた。 会場は麻布ディープラッツ http://www.geocities.jp/azabubu/ 東京戯園館プロデュース <演劇+舞踏> 「蒼穹(そら)はない」(A・アルトー原作)出演者:高田恵篤 渡邊敬彦 工藤丈輝 他 スタッフ:出演・演出=ディディエ・…

移動式WALLプロジェクト4月(佐藤ペチカ/徳久ウィリアム)

佐藤ペチカさんのダンス公演には何度か足を運んだことがあって、佐藤ペチカさんが自分の名義でやっているのは覚えている限り全部ソロ公演だったのだけど(もしかしたらグループ作品にも客演していたかもしれない)佐藤さんが中心となったグループ作品で、し…

今日はアマゾン経由でe book offに注文した砂子屋書房の『佐藤鬼房句集』が届いたのでそのことを書こうかとも思ったけど(表紙がどうしてもおっぱいに見えてしまうとか)、こないだ書きかけた(書きかけだ)保坂和志の話の続きを書いてみようかと思う。前回…

いつのまにか、舞台について書くページになっていたのだけど、もともとこのダイアリーをはじめたときには、いろいろ雑多なことをかくことになっていた。それで、思いついて、雑多なことを書くようにしてみようかと思う。 このあいだ、横浜の第二合同庁舎の地…

マキガミック・テアトリック

それで、この日は、実は巻上公一の公演も見ていたのだったけど、見ながらかなりうんざりしていた。どうして好きになれないのか、ということを考えながら、自分がみたい舞台はこういうのじゃないなあと思っていたのだけど、そのこういうのじゃないの反対の、…