ジャンルと形式の違い
ますの先生の週間賃貸のCMのことをいろいろと埒もなく考えてしまう今日この頃。
いい部屋みつかっ短歌!
それではますの先生にルールを説明していただきます。
57577なのが短歌です 季語があるのは俳句なんです
先生、それも?
短歌です。
しゅーかんチンタイ
以上、J-Waveでちょくちょく流れていたラジオCMからうろおぼえで引用。加藤あいとマスの先生の掛け合い。*1
「57577なのが短歌」というのは、別に短歌の定義を意図しているわけではなくて、「短歌は575じゃなくて57577なんですよ」って俳句や川柳と短歌の違いがわからない人に呼びかけているわけでしょう。
でも、ある意味、これは短歌の定義と言っても良いんじゃないかと思う。
つまり、短歌というのはジャンルの名前ではなくて、形式の名前、音数律によって成り立つ詩形の名前なんだっていうこと。
これは伝統的に、長歌とか仏足石歌とかに対して短歌が区別されたことを踏まえて考えてもそうだ。
俳句というのは、ジャンルの名前だ。というのは、575という音数律に名前はついていなくて、俳句と川柳はジャンルの名前なのである。
短歌がジャンルの名前ではない、そうだったらどうなのか、というと、ジャンルが違うほど違うものが同じ短歌という名前で呼ばれるがゆえの交流と混乱が生じるんだよな、とかそんなことを考えることができるという風なことがいいたかった。
まあ、「かんたん短歌」も「いい部屋見つかっ短歌」も、ジャンルの名前なのじゃないのか、とか思わなくもない。
ジャンルというのをどう定義するのか難しいはなしだろうけど。
ちなみに、「季語があるのは俳句」 というのも俳句の定義をしているわけではなく、短歌と俳句の区別がつかないひとにその違いを説明したいだけなのだろうけど、季語があれば俳句というわけではないし(いわゆる季語が入った川柳もあるんじゃないかとおもう)、無季俳句というのもあるわけで、季語があるのが俳句の定義だと誤解されかねないので
「季語がなくても短歌なんです」と言った方が正確なんじゃないか、とか、考えてしまった。
このへん、季語というのは俳句というジャンルの中でしか成り立たない語だから云々とか言い始めると話がややこしいだろうけど・・・・
(2008年7月30日 mixiから転載)