ダンス

鰰[hatahata]『動け! 人間!』(「深海魚」)

昨年のりたーんずでは、神里さんと白神さんが一押し二押しの自分だったので、ふたりのユニット鰰はだいぶ楽しみにしていた。鰰ははじめ「神々」という名前で発表されていたけど、それが鰰に変わることも含めて、楽しんでいた。「深海魚」を一回だけみた。 ht…

根岸由季さんのソロを見る

根岸由季さんとは縁があって、かつてディープラッツのダンスがみたい!新人シリーズの審査を担当してたときビデオで見たのが最初だった。そのときは、よくわからないけどなんか独特なものを持ってそうな人だな、と思って推したら、その年の賞を取ったのだっ…

コンテンポラリーダンスの一つの時代(覚え書)

國吉和子さんの「舞踊とモダニズム」という副題をもつこの本は、「舞踏(Butoh)」をキャバレーやショーでのダンスも含めたモダニズム的な舞踊の流れの果てに歴史的に位置づけて文脈を示すという本なのだけど、最後に「コンテンポラリーダンス」という言葉に…

ダンスみたい新人8(J)(その寸評)

結局、3組を見て終わったダンスがみたい新人シリーズの8回目。私は元実行委員かつ元審査員なので通し券でご招待いただいてました、が。 では、最終Jグループの三組について、簡単にコメントしておきます。 http://www.geocities.jp/kagurara2000/s8.html シ…

ダンスみたい新人8(E)(寸評)

die pratze 毎年恒例のダンスコンペ「新人シリーズ8」のEグループを見た。 http://www.geocities.jp/kagurara2000/s8.html 以下出演順に簡単にコメントする。 COLONCH 『the 8th day』 白いワンピースのダンサー1人と、茶色のワンピースのダンサー4人によ…

ポストダンスと言ってみる−ダンスみたい新人8(A)―

ディープラッツが毎年やってる「ダンスがみたい!新人シリーズ」の8回目、Aグループに荒木志水さんが(名前が荒木志津に変わるそうだけど)出ていたので見てみようと思って出かけてみた。 荒木さんの上演は荒木さんならこれくらいのことはやるだろうなという…

配置ガールと森がある(続き)

この日、けのびの試演会を見に行こうとして方南通りをさまよっていたら、神村恵さんとばったり会ったので、チラシを忘れて会場がわからない僕は、なんとなく神村さんと一緒に会場にたどり着いた。 けのび公式サイト:当日とエ−ルその日、前エントリー「配置…

コンテンポラリーダンスの二つの歴史(改題)+

前回は、歴史的背景を抜きにして、日本における舞台芸術の現状を踏まえて、図式的な整理をした。 ※前回:コンテンポラリーダンスの三つの概念―覚書― - 白鳥のめがね日本でコンテンポラリーダンスという用語が定着した日本固有の事情について、若い世代には見…

コンテンポラリーダンスの三つの概念―覚書―

僕が90年代初頭に東京の劇場でダンスを見始めたときには、コンテンポラリーダンスという言葉は無かった。普通に見かけるようになったのは、2000年頃からのような印象があるけど、少なく見積もっても、コンテンポラリーダンスという言葉が舞台に関心がある人…

配置ガールと森がある

神村恵カンパニー『配置と森』、初日の公演を見てきました。見ながらぼんやり考えたことをメモしておく*1。僕がダンスを見始めたきっかけのひとつは、坂本龍一の『ESPERANTO』だった。モリッサ・フェンレイのダンス公演のための音楽で、ライナーノーツにモダ…

アノニマス舞踏会3 雑感

PASがらみの縁で長谷川六さんからご招待いただき、東京ダンス機構主催の「アノニマス舞踏会3」を見てきた(木曜日の回)。 http://blog.goo.ne.jp/pas_2007/e/b31f087b7b186aa2686755dd2381fd07 Homage to [a] Life2009-2 今回のお目当ては小川水素さんだっ…

「まとまらない話」のまとまり

福留麻里さんと大崎清夏さんがダンサーと詩人のコラボレーションということで、岸井さんがやってる曳舟ロビーで行った公演「まとまらない話」を見に行ってみた。http://d.hatena.ne.jp/chakibear/20090924/p1曳舟ロビーのシャッターを片側を締め切って、もう…

サ・カ・マ・ル・ン・ドvol. 15「野の宮」を見た

若尾伊佐子さんのソロ公演を久しぶりにみた。テルプシコール。何もない舞台に、奥の方の暗幕をわけて現れたときの第一印象だけど、フリルのついたワンピースの衣装もあまり好きになれなかったし、中空をさぐるような表情もいささか芝居がかっているように思…

古典化と新鮮さの作業/『次の衝突』覚書+

神村恵ソロ公演ということで見た(初日1回目の公演)。素晴らしいダンスだった。 Works – 神村恵 公式サイト神村さんが公演でこんなに踊るのを見たのは初めてだという気がする。たいていのダンス公演というのは、緊張感とか新鮮さが感じられるのが公演のほん…

佐藤ペチカ×菊地びよ/相良ゆみ 雑感

東京バビロン ダンスセレクション『ポンペイの落書き#03/FINAL』の公演を見に「pit 北/区域」に行った。 http://www.h7.dion.ne.jp/~babylon/black_24.htm 佐藤ペチカさんのダンスを久しぶりに見てみようかと思ったのと、相良ゆみさんは春にディープラッツ…

DANCE FILM VARIATION(G)雑感+

ダンストリエンナーレ トーキョー2009の関連企画として、ダンスの記録映像などが上映されるというので出かけてみた。 DANCE FILM VARIATION見たのは次のプログラム。 ポストモダンダンス 知人が日記に書いていたので、今日一日しか上映しないって限定感につ…

「深淵の明晰」雑感

大橋可也&ダンサーズの公演「深淵の明晰」を見てきた*1。サイトに記録写真や動画などがある。 Kakuya Ohashi and Dancers 大橋可也&ダンサーズ: 「深淵の明晰」東京公演写真次の動画はラストに近いシーン。 このラストシーンの、全員がいっせいに後ろ向きに…

初期型の『ThePOP』

アゴラの夏のサミットに参加してる初期型の『ThePOP』を見てきた。 前回ダンスタワー見たときにざっと感想を書いたけど、今回も、基本的には変わらない印象。 男性キャストは基本的に全裸で局部を手で握って隠してたりとか、またにはさんでかくしてたりとか…

踊る若松美黄を見る/二度目

初めて踊る若松美黄を見たのは、WDA2000が開催されたとき、フェスティバル開催の責任者だった若松美黄氏が、オープニングのイベントに飛び入り参加して踊りだしたとき。 Wie funktioniert das Internet? | 現代舞踊協会の偉い人でも、こんな自由な発想だった…

ライン京急自主企画 Vol.1

ライン京急の自主企画を見に行った。 http://www.super-deluxe.com/2009/8/4/linekeikyu/ スーパーデラックスに行った。行くのはPMEの『Unrehearsed Beauty』を見に行って以来、およそ6年ぶり。見た順に雑に感想書いておく。忘れきってしまわないうちに(8月…

実験ユニット「人間ラジオ2」を見た

手塚夏子のアーカイブ Natsuko Tezuka's archive: 人間ラジオ 2 上手客席手前に照明卓があって、照明家(中山奈美)も舞台上の条件を見ながら照明を変えていく。よくあるように天井に照明がつられていて無色の光を投げかけているほか、舞台四面中央に(客席…

『満月がなりやまない』雑感/比喩的な形象の航跡

荒木志水さんの公演『満月がなりやまない』見てきました。ダンス関連の偉い人たちがかなり集まって静かに盛り上がっている感じの満員の神楽坂ディープラッツ。 Information - 荒木志水荒木さんは、ダンスが見たいに出たときに素晴らしいと思ってレビューでも…

WWFes.2009のアーティストキュレーション公演4作

WWFesという、山崎広太さん中心に開かれた、ダンスフェスティバルの公演を見てきた。作家サイドからシーンを活性化しようという試み。4人のダンス作家(artist)が4人の出演者(artiste*1)を推薦して組んだプログラム。 http://bodyartslabo.net/festsub/pr…

WWFes2009の7月11日2公演

http://bodyartslabo.net/festsub/programs/pf.html 岸井さんが参加するっていうので、出かけて、2公演見てきた。森下スタジオの2F。 クジ引きラボ クジ引きでいろんなジャンルの作家を集めて急ごしらえで作品を上演してみようという実験的企画。 3チームに…

群々[6:0/作品集]雑感

ダンスがみたい!11参加公演見に行く(マチネ)。 d-倉庫ブログ ダンスがみたい!11もうすぐ開催! ダンスが見たい! : 本日の群々松本梓さんの自作による繊細なソロダンスは、なかなか良いものでした。今後が楽しみです。 岩渕貞太さんには可能性を感じる…

motto初期型『ホルモン』雑感/ダンスシアター度、ダンス度++

東京ダンスタワーの企画で上演されたmotto初期型の上演作品『ホルモン』を見てきた。東京ダンスタワーは、東京スカイツリーが建設中の町で毎月行われている小さなダンスイベント。初期型+ゲスト出演者ということでmotto初期型という名義なのかな。 明後日本…

ピナ・バウシュ追悼

たとえば、バランシンやクランコの振付作品を私たちは今でも見ることができるし、ニジンスキーの振付が記譜された譜面から再現されるということもありました。振付作品は残る。私はダンサーよりも振付家が注目された時代にダンスを見始めました。そのことが…

『寛容のオルギア』雑感/衰え方を学ぶ必要+

ヤン・ファーブルの舞台を実に15年ぶりに見てきました。ヨーロッパ人が衰弱においてどう生きようとしているのか、そこから学ぶべきものは多いと思いました。 東京アートパトロール : ヤン・ファーブルの新作「寛容のオルギア」 asahi.com(朝日新聞社):ユ…

『五人姉妹』雑感/現代日本という泥沼であがいてみせること−

吉祥寺シアターにnibrollの矢内原美邦が作・演出・振付した『五人姉妹』を見に行ってきた。基本的には全編モノローグの喜劇*1である。複数人が出てきても構造としてモノローグになっている。全体にノスタルジックな調子だが、現代日本のある種の閉塞感を寓意…

Paxton,Deleuze, >

パクストンが来日していることにしばらく気がつかなかったので、スパイラルでの公演は見なかったのだけど、早稲田の講演を聴きに行った*1。それで、ドゥルーズの「Vice-diction」という言葉について考えた、という話です。 http://www.ddjc2009.org/#/waseda…