東京戯園館プロデュース 「蒼穹(そら)はない」

次のような公演を見に行ってきた。
会場は麻布ディープラッツ
http://www.geocities.jp/azabubu/

東京戯園館プロデュース <演劇+舞踏>
蒼穹(そら)はない」(A・アルトー原作)

出演者:高田恵篤 渡邊敬彦 工藤丈輝 他
スタッフ:出演・演出=ディディエ・マニュエル 音楽=伊藤啓太 照明=福田玲子 制作=松岡真弥

とても作品の輪郭が明確で、さらさらとした砂を注いでいったり、電球がそろそろと砂の山にむけて天井から吊り下げられて降りてきたりとか、それぞれのパフォーマーの動きのしなりのある質感であるとか、とても確かな造形になっていて、生演奏のウッドベースも良かったし、どこかとぼけたユーモアもあって、飽きずに見ていたのだけれど、飽きずに見られるというだけでも舞台の上演としてはとても上質なものだと思うのだけれど、見終わって、なかなか良かったなあと思って、それでおしまいという感じで、そういう風にたのしめたならそれで十分だし、そういう満足が生活のなかにあるのはとてもリッチなことなのだろうけれど、どこかそれ以上につかまれるものというのはなくて、やっぱり舞台にそういう特異な経験とでも言えるようなものを求めてしまうところもあり、その、ほどほどの満足を超えたものというのは何なのだろうかなあということを考えながら帰ってきた。