短歌

Snell朗読会に行った

歌人の今橋愛さんと雪舟えまさんが、小説を書いたりエッセイを書いたり、短歌のほかにも俳句を発表してみたり、他の寄稿者からの批評を受けたりと、小雑誌的に面白かったSnellですが、こういうプチ小雑誌ブームみたいな昨今において、ひときはきりりと輝いて…

ニュース短歌#1 ロイホ行き

ロイヤルホールディングス(HD)は19日、同社が持つ外食店全体の1割弱にあたる約60の赤字店舗を2011年12月期までに順次閉鎖すると発表した。景気後退で地方を中心に既存店が苦戦しており、過去最大の店舗閉鎖に踏み切る。リストラ経費などを特別損失に計上…

斉藤斎藤といえば

「風通し」を申し込んで届いて読んだ。代金を振り込んだ(振り込んでもらった)。 2008年11月17日(月): ogihara.com 若手歌人の創作と相互批評の饗宴。今面白い短歌はだいたいこのあたりにあるんじゃないかと思ったり。その話はまたいずれ。「風通し」に載…

「今だから、宅間守」の今だから

この斉藤斎藤の短歌連作のタイトルにある「今だから」の今というのはいつなのかという話を書きます。 (承前)何が芸術なのか(メモ) - 白鳥のめがね「今だから」の今というのは、掲載された『るしおる』が出た2007年1月なんだろうか。でも、それでは、あえ…

文語と口語

以前、文語と口語が無造作に混ざった短歌ってどうもね、という話を書いた。 花山周子第一歌集批評会の件 - 白鳥のめがねオギーのブログ(の読めてなかった分をまとめて)読んでいたら、吉川宏志さんが文語と口語を混ぜ合わせた文体を意図的に構築していると…

斉藤斎藤で

斉藤斎藤の「今だから、宅間守」について考える準備として*1、私がはてダに書いた文章集成。 白鳥のめがね 白鳥のめがね 『渡辺のわたし』の私と『デジタルビスケット』の僕 - 白鳥のめがね わたし『渡辺のわたし』の批評会を見に行ったわたくし - 白鳥のめ…

L25の穂村弘

フリーマガジンの『L25』に穂村弘が隔週で連載していることに11回過ぎてから気がついた。少し前に、生肉を持ち歩いている人の話を書いていた。暇をもてあますような空き時間があると、道端に肉片を置いて、それを蟻が争って持っていく様子を見るのを趣味にし…

職業短歌と学園短歌

たまたまひまだったので栗原裕一郎さんの『電車の運転』評を読んだら短歌の話があった。 本書『電車の運転』はいうなれば「客観描写」や「定義」がひたすら書かれた本であり、鉄道に疎い評者には(中略)実験的な文学作品のように映ってしまう瞬間のほうが多…

さいきんオギーのブログが素敵で心和みます

http://ogihara.cocolog-nifty.com/数年前の一時期、更新されない頃があって、そういうこともあって読まなくなっていましたが、久しぶりに見てみたら最近はほぼ毎日更新されているんですね。しばらく前にもうなんか短歌って騒々しくっていやだなーとおもうよ…

『現代短歌分類辞典』(2)

先日書いた、二代にわたって刊行され続けた短歌辞典が、結局その先どうなったのかの話。 http://d.hatena.ne.jp/yanoz/20080303/p1 の続きです。一生かかって『現代短歌分類辞典』のア行を50巻以上刊行し続けてア行の完結を見ずに死んでしまった父の事業を…

花山周子第一歌集批評会の件

私が短歌に関心を持ったきっかけは、妻が短歌を作っていたからなんだけど、妻に誘われたので先週末、花山周子歌集『屋上の人屋上の鳥』の批評会に行ってきた。件の歌集をまだちゃんと読めていないのだけど、きちんと読んでみたくなる様に歌人の魅力や位置と…

『現代短歌分類辞典』(1)

すこしむかしMixiに掻いた、じゃない書いた文章を引っ張り出してきて載せてみる企画(1)。ある日、母校の図書館の地下に下りて書庫を漁っていたとき、津端修編『現代短歌分類辞典』が並んでいるのに目がとまり、手にとって見た。奥付を見ると、 イソラベラ…

蕗子さんのこと

高柳蕗子さんは妻がお世話になっていたこともあって蕗子さんと勝手に親しみを込めた呼び方をしてしまうのだが、高柳蕗子全歌集を紹介するついでに、かつてMixiに書いた蕗子さんについての文章に手を加えて公開してみる。なにかの参考にしていただければ幸い…

『高柳蕗子全歌集』

「かばん」の歌会で『高柳蕗子全歌集』の読書会が開かれるというのでのぞいてきた。 http://www.h4.dion.ne.jp/~fuuhp/kasyuu.html http://www.kaban-tanka.jp/以下勝手にレポート。佐藤弓生さんが歌集ごとに短歌を選んで作家性をコンパクトに説明。 メモも…

はばたきとまばたき

正岡豊さんの第一歌集は『四月の魚』だった(『短歌ヴァーサス』の6号にまるごと収録されている)。トークショーで言及されているのを聞くまで「四月のさかな」と読むのだとおもっていたけど、「四月のうお」と読むのらしい。フランス語で言う、エイプリル…

『渡辺のわたし』の肉まんひとつ

今から2年か3年ばかり前はコンテンポラリー短歌が大きな転回点にさしかかっていてわけのわからない面白そうなものがしかし近代だったり戦後だったりする短歌の歴史を別の形で引き受けたり切断したりしながらどこから出てくるかわからないぞというわくわく…

ジャンルと形式の違い

ますの先生の週間賃貸のCMのことをいろいろと埒もなく考えてしまう今日この頃。 いい部屋みつかっ短歌! それではますの先生にルールを説明していただきます。 57577なのが短歌です 季語があるのは俳句なんです 先生、それも? 短歌です。 しゅーかんチ…

日本語ができるイラク人

斉藤斎藤の短歌作品に、こういうのがあった。 アメリカのイラク攻撃に賛成です。こころのじゅんびが今、できました 短歌界(というか歌壇というか)では物議をかもしたらしく、『短歌ヴァーサス』誌で倫理的だか政治的だかの理由で認めがたいとかなんとか批…

『プーさんの鼻』のプーさん

『プーさんの鼻』を読み進めていた。このあいだ朝ごはんを食べながらふと、「プーさんというのはぬいぐるみではなくてもいいわけだよな、たとえばプーさんとひそかに呼ばれている男であっても」とか考えた。この歌集では男は間接的に描かれるのにたいして、…

「紙ピアノのなる夕べ」

http://www.lebal.co.jp/cyabasira_bbs/web.html で、次のような告知をみて、運良く多少の時間が空いていたので、駆けつけてみた。 [朗読会] 「紙ピアノの鳴る夕べ ― pieces of voices ―」[朗 読]飯田有子 佐藤りえ 田中 槐 東 直子 広田栄美 穂村 弘 伊…

朗読計画Ⅰ おそろしやつぼみというは

朗読会を企画した。 企画した本人の私は残業で開演に間に合わなかったのだけど。 場所にも天気にもお客様にも恵まれて、なかなか良い会になった。 幸せだ。とりあえず出演者のみなさん。新明さだみ http://d.hatena.ne.jp/sadami/ 柴田瞳さん http://blog.go…

國學院大學公開古典講座 萬葉集 - 『巻十九』を読む -

受講した。まずは城崎陽子先生。 『万葉集の編纂と享受の研究』という論文を書いてらっしゃる方(これが博士論文なのかな)。若手の研究者というところか。巻19 4254番の、題詞に「侍宴応詔」とある長歌を注釈しながら、宴で天皇のみことのりに応じて歌を詠…

斉藤斎藤コラム連載開始

短歌ヴァーサスのサイトで始まりました。http://www.fubaisha.com/tanka-vs/top.cgiさて、どう続くのか。

朗読千夜一夜〜第十一夜〜 

7月2日、朗読千夜一夜を見に行く。本番数日後にちょっと下書きしていたのだけど、今日書き足したので、むらがあるかも。以下、松井茂さん以外は歌人の皆さん。出演者順に軽くコメントします(参考リンク付き)。・栗原寛 ホモセクシャルな性の世界を描く連作…

虹の絶巓/塚本邦雄追悼

タダ コノマボ ロシノモニフクサン これは、高柳重信の句集『伯爵領』の扉に刻まれている言葉で、電文を装った上でヴィリエ・ド・リラダン伯爵の言葉として引かれている。これについて、塚本邦雄は「他界からの飛電碑銘の暗澹たる翹望が私の心を打ってやまぬ…

枡野浩一x正岡豊トークライブ

枡野浩一x正岡豊トークライブを新宿のロフトプラスワンに聞きに行った。前半は『四月の魚』(個人的にずっと「しがつのさかな」って読んでいたけど、今回、「しがつのうお」って読むと初めて知った。)出版のいきさつとか、短歌を離れて俳句の世界に飛び込ん…

斉藤斎藤/読む私書く私

斉藤斎藤の短歌を読むときに哲学について考え、哲学の本を読むときに斉藤斎藤のことを考えてしまう私。そんなもの思いの一端をメモとして残しておきたい。まず澤田直さんの『新・サルトル講義』(平凡社新書)から引用する。 なぜ「読むこと」が問題なのか。…

斉藤斎藤がラジオ出演

斉藤斎藤氏がケータイ短歌の番組に出ていたので、聞いた。結構良い声で話しているときと、声が裏返るときと、ある。 http://www.nhk.or.jp/tanka/banshou.html

東直子作子どもミュージカル「ハルニレの木の下で」

歌人の東直子(ひがしなおこ)さんが脚本を担当した船橋子どもミュージカル第六回公演「ハルニレの木の下で」を見てきた。地域の子どもたちが登場するミュージカルで子どもミュージカル。それで、対象年齢もお子様がメインターゲットなわけだ。地域を巻き込…

『薄荷色の朝に』の一首

村松由利子さんの歌集『薄荷色の朝に』を読み始めてみた。 冒頭の連作でなんだか魅了されてしまった一首を引いてみる。 風の変わる予感満つれば薄荷色のTシャツ一枚ベランダに干す 「満つれば」の「つ」がなんとも良い。ka音のテンポの良い連続のなかに満ち…