2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

福田定良の教え

グーグルがまだデビューしたての頃、ためしに使ってみたとき、福田定良で検索したことを覚えている。そのときは、まったくヒットしなくてすごく残念な思いがして、インターネットっていっても、集積している情報はまだ福田定良の名前がヒットしないレベルか…

『日本語が亡びるとき』を読む#2 −貴族が詠む『万葉集』−

『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』を読んでいて次の文章を読んで・・・絶句。した。 天皇から庶民まで詠んだと謳われ、近代に入ってから栄光ある「国民歌集」の地位を与えられた『万葉集』も、実は、奈良時代の貴族によって詠まれたものだと言われて…

近代日本語に弔いを(9)−「文(かきことば)」の演劇−

演劇作家の岸井大輔さんが、『日本語が亡びるとき』について次のように書かなかったら、ぼくは『新潮』に先に載った三章を読んだだけでおしまいにして、この本を手に取ることもなかっただろう。 水村の叫びに応える責が私にはあるだろう。文学の中でも演劇で…

そろそろ画廊忌

画廊男こと佐藤洋一さんがこの世をさってそろそろ一年になる。今日、得意先の百貨店の地下食品売り場をあるいていて、そういえば、「Gallery≠Gallery」の何かのパーティーにデパチカで餃子かなにかかっておみやげにしたことがあったな、と思い出した。佐藤洋…

『日本語が亡びるとき』を読む#1への補足 国語学から日本語学へ

『日本語が亡びるとき』を読む#1 - 白鳥のめがね で、国語と日本語の相違って話をしたんですが、ぐぐってみたら、数年前に国語学会は日本語学会になっていた。こんな重要なトピックをスルーしちゃってよかったんですか?水村先生。 本学会は、設立当初は、…

『日本語が亡びるとき』を読む#1

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で作者: 水村美苗出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/11/05メディア: 単行本購入: 169人 クリック: 12,657回この商品を含むブログ (459件) を見る第七章に気になる一節があるので長くなりますが引用します。まずこの一…

地元/地政学/ポストモダン以降

2008年は、一連のケータイ小説研究と、『ゼロ年代の想像力』と『日本語が亡びるとき』が出版される必然性があった一年であったということでしょう。これらの著作は同時に読まれなければならない。 というわけで今日は、昨年考えていたいくつかのテーマに響く…

『ゼロ年代の想像力』を読んで腹を立てた人のために(再加筆版)

※件の本を冷静に読みたい方は、まず(↓)をお読みください(5月27日追記)。 『ゼロ年代の想像力』を読み直すためのレッスン+++ - 白鳥のめがね この本から学べることは、こんなパフォーマンスに需要があると思われるほど文化的状況は貧しいことになってし…

フランスから哲学書届いた

案外早くつきました。 今年は、この二冊をゆっくり読もう。年内には通読したいけどな。ミルプラトーは、どこから読んでも刺激的(ま、一度通読してるけど)。 グラマトロジーは、頭から順番に読んでいくべき本なんだな。そういう面でも既存の枠組みの中で枠…