演劇

『アーティスト・インの条件』/POTALIVE再考(9)+

岸井さんが曳舟に開いているロビーに出かけて、次のトークを聞いてきた。観客数名。 9月17日(木) 『アーティスト・インの条件』 14時ー18時(出入り自由) 臼井隆志(アーティスト・イン・児童館ディレクター)×岸井大輔(劇作家/playworks主宰)東京都と東京文化…

「PRIFIX3」

ゲーム作家で書評も書いて発想法の記事とかも書いていて立命館大学で教えてもいて、岸井大輔さんのプロジェクトでもおなじみの米光一成さんがナカゴーという劇団の公演に出演するのだって告知しているのを見かけて、これは面白そうだと思って見に行ったら、…

CASTAYA project『Are You Experienced?』四日目+

8月25日版の『Are You Experienced?』を見た。LOVEの字を反転したものがキービジュアルとして使われていて、これは東京デスロックの演劇LOVEを連想させますね。冬のサミット2003CASTAYA projectは、ある種匿名ユニットみたいなもので、誰の作品で誰が出演す…

初期型の『ThePOP』

アゴラの夏のサミットに参加してる初期型の『ThePOP』を見てきた。 前回ダンスタワー見たときにざっと感想を書いたけど、今回も、基本的には変わらない印象。 男性キャストは基本的に全裸で局部を手で握って隠してたりとか、またにはさんでかくしてたりとか…

平松れい子演出の The Vagina Monologues/穏やかである政治性+

ヴァギナ・モノローグを手話を交えて上演する、という企画があるということで、見てきた。翻訳担当の小澤さんが案内をくれたのだった。タイトルからは暴露的な過激さがあるのかと連想してしまうけど、むしろ舞台は穏やかな優しさに満ちていて、政治的な問題…

『昏睡』(作:永山智行、演出:神里雄大)-+

初日に見に行った。26日まで。 出演 山内健司 兵藤公美 http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infowakate090626.html 最近は、演劇を見た感想を書くときに、出演者の人への明示的な言及を心がけています。なんとなく、演出家で舞台を語ることに疑問を持た…

DCPOPの「マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人」/陳腐さの絶対肯定+

劇団ダルカラードポップ(略してDCPOP)の「マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人」を見てきた。前回見た『ショート7』がかなり良かったので期待していたが*1、今回は、とても良くできたまがい物にして真摯に作られた失敗作だと思う。頭で作るタイプの作演出…

ライン京急自主企画 Vol.1

ライン京急の自主企画を見に行った。 http://www.super-deluxe.com/2009/8/4/linekeikyu/ スーパーデラックスに行った。行くのはPMEの『Unrehearsed Beauty』を見に行って以来、およそ6年ぶり。見た順に雑に感想書いておく。忘れきってしまわないうちに(8月…

飴屋法水の『3人いる!』−++

リトルモア地下に初めて行った。飴屋法水演出初めて見た。多田淳之介の戯曲が上演されるの初めて見た*1。8月3日の昼の回。「3人いる!」特設サイト飴屋法水は現代美術の文脈でも注目されていたので、そのせいか、客層としては演劇ばかり見ているのではない人…

『東京の条件』のために

『東京の条件』act編 by 岸井大輔岸井さんが『東京の条件』のためにブログに書き抜いたものをまとめてちょっと振り返ってみる。たくさんあるので、初めのところの引用部分だけ引用してみる。こんな感じの引用がたくさん続いていて、その合間に岸井さんの『東…

『東京の条件』act4+

岸井大輔さんが主宰するPLAYWORKSの企画『東京の条件』のact4に参加した。 公式の案内文はこちら。 秋の新作告知 PLAYWORKS#1 『東京の条件』 作・演出 岸井大輔 | PLAYWORKS岸井大輔ブログ - 楽天ブログポタライブについては、今まで何度も書いてきたけど…

カニクラVOL.2「73&88」を見た

柴幸男作演出、男2人女2人の芝居を見てきた。再演の機会もほぼ無いと予想されるが、以下、内容に踏み込んで作品について検討してみたい。カニクラというユニットは、現代日本演劇の、口語的なトレンドの良質な部分をフォローしているようでもある。 作・演出…

害獣芝居の『火學お七』を見た

http://gaijyu.com/main.html 縁あってさそわれてD‐倉庫へ。岸田理生作品が上演されるの見るの初めて。もとの戯曲を見ていないけど、多分、忠実に舞台化しているのだろうと思う。ある種アングラ的な雰囲気のセノグラフィーであり衣装であり演出であり、舞台…

避難所としての劇場/TAGTAS結成プロジェクトをめぐる雑感

TAGTAS結成プロジェクトとして実施された催しをいくつか見てきた。 座・高円寺 - 「トランス・アバンギャルド・シアター・アソシエーション(TAGTAS)結成プロジェクト」の詳細情報 TAGTAS結成プロジェクト『百年の<大逆>』開催のお知らせ - TAGTASTAGTASの…

WWFes2009の7月11日2公演

http://bodyartslabo.net/festsub/programs/pf.html 岸井さんが参加するっていうので、出かけて、2公演見てきた。森下スタジオの2F。 クジ引きラボ クジ引きでいろんなジャンルの作家を集めて急ごしらえで作品を上演してみようという実験的企画。 3チームに…

リミニ・プロトコル『カール・マルクス:資本論、第一巻』TV録画中継に寄せて+

見ました。録画したのを見直しながら今書いている。 http://www.nhk.or.jp/art/archive/200907/02drama.htmlフェスティバル・トーキョーで上演されたリミニ・プロトコルの『ムネモパーク』がやたら評判良かったので気になっていたんですが*1、私は残念ながら…

プロペラの「夏の夜の夢」

東京芸術劇場は野田秀樹一色ですね。さて、エドワード・ホール率いる英国の劇団「プロペラ」の来日公演、「夏の夜の夢」を見てきました(ソワレ)。「夏の夜の夢」はこのあいだ新国立劇場で見たばかり。 http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000068_2…

motto初期型『ホルモン』雑感/ダンスシアター度、ダンス度++

東京ダンスタワーの企画で上演されたmotto初期型の上演作品『ホルモン』を見てきた。東京ダンスタワーは、東京スカイツリーが建設中の町で毎月行われている小さなダンスイベント。初期型+ゲスト出演者ということでmotto初期型という名義なのかな。 明後日本…

『セインツオブ練馬』/戦後偽史と邪気眼妄想-++

はい。ロハ下ルの「セインツオブ練馬」。見てきました。只でもないし、下らない。でも満足して帰ったのは演技が良かったからですね。スロウライダーは一度も見たことなく、山中隆次郎の作・演出を初めてみる。今回「ロハ下ル」に名義を変えて初の舞台という…

『寛容のオルギア』雑感/衰え方を学ぶ必要+

ヤン・ファーブルの舞台を実に15年ぶりに見てきました。ヨーロッパ人が衰弱においてどう生きようとしているのか、そこから学ぶべきものは多いと思いました。 東京アートパトロール : ヤン・ファーブルの新作「寛容のオルギア」 asahi.com(朝日新聞社):ユ…

『五人姉妹』雑感/現代日本という泥沼であがいてみせること−

吉祥寺シアターにnibrollの矢内原美邦が作・演出・振付した『五人姉妹』を見に行ってきた。基本的には全編モノローグの喜劇*1である。複数人が出てきても構造としてモノローグになっている。全体にノスタルジックな調子だが、現代日本のある種の閉塞感を寓意…

アルトロジーに触れて(ウルトラブッダギャラクシー/神里雄大)

アルトロジーというイベントに行ってきた。アルトーといっても演劇とか思想に興味が無い人にはわからない名前かもしれないけど、「器官なき身体」という言葉を残してドゥルーズとかデリダとかをインスパイアし、「残酷演劇」という理念を残して20世紀の演劇…

ハイバイ「リサイクルショップ『KOBITO』」

ワンダーランドのクロスレビューに次のような評を寄せた。以下引用。 集団性の演劇、という観点からポツドールと比較できる(集団性を世代や性別に還元する必要はない)。ただし『KOBITO』では個人史の束として集団の歴史性まで捉えている点で、遥か遠くまで…

少年Bとアジカンと

どちらかというと個人的にはキュートンが使った曲として印象に残っているわけですが。 カラオケである人が歌っているのに居合わせて、初めて歌詞の内容を意識した。それで「少年B」のことを思い出した。 歪んだ残像を消し去りたいのは 自分の限界をそこに見…

津野海太郎の『おかしな時代』―演劇編―

おかしな時代作者: 津野海太郎出版社/メーカー: 本の雑誌社発売日: 2008/10/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (27件) を見る昨年出た本ですが。読み終えたところ。面白かった。サブタイトルにあるとおり、演劇と出版に両足の…

POTALIVE再考(8)―寺山的市街劇との差異と反復

ポタライブは野外で行われる演劇である。というと、ちょっとでも日本の演劇を知っている人はやはりすぐに寺山修司のことを連想するだろう。寺山修司の「市街劇」とポタライブの関係についてすこし整理しておきたい。ポタライブがアゴラ劇場のサミットで上演…

4月5月に見た舞台(2)谷賢一関連 

谷賢一のショート7 http://www.dcpop.org/2009/05/7.html Aプロだけ見ました。 『ソヴァージュばあさん』 翻訳短編小説を翻訳調短編演劇に。 フランス語とドイツ語をどっちも日本語で演じているところ。 火事の場面、良く効果を出していたと思います。少な…

4月5月に見た舞台(1)MSA関連 (ββ)

少しずつ感想を書き足して行きます。 ■鳥公園『家族アート』 4月21日23日(木)19:30 脚本/演出|西尾佳織 出演|森すみれ、他 照明|三枝淳 音響|佐久間修一 舞台美術|大泉七奈子 制作|塩田友克 伊藤比呂美の原作をちょっと読んでみると、この語りの面白さ…

「キレなかった14才 りたーんず」、あるいは演劇の再起動

劇評サイト/メールマガジンのワンダーランドに、「キレなかった14才 りたーんず」全体を振り返って論評した記事を寄稿しました。以下、紹介をかねて多少の補論を。 ワンダーランド wonderland – 小劇場レビューマガジン準備期間も含めたフェスティバルの全…

作中現在がずれていく(2)―『ガラスの仮面』と演劇史―

作品完結が長引くと作中現在がずれてしまうって話でいえば、リアルな現在の方にあわせちゃった『ガラスの仮面』がすごいことになってたんだった! それにしても昭和から続いているマンガで携帯電話を出すのはやめてほしかった。全体の雰囲気としては昭和っぽ…