『東京の条件』のために

『東京の条件』act編 by 岸井大輔

岸井さんが『東京の条件』のためにブログに書き抜いたものをまとめてちょっと振り返ってみる。たくさんあるので、初めのところの引用部分だけ引用してみる。こんな感じの引用がたくさん続いていて、その合間に岸井さんの『東京の条件』に向けたアイデアなどが書かれていきます。
以下『人間の条件』の引用の引用。

人間の条件 (ちくま学芸文庫)

人間の条件 (ちくま学芸文庫)

「しかし、人間が生まれてきたのは死ぬためではなくて、始めるためである」
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「私たちが直面しているのは、労働しかやることがない労働者による、労働のない社会という、逆説的な見通しだ。もちろん、これ以上悪いことはない」
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「人間は、自分の罰することのできないものは許すことができず、明らかに許すことができないものは罰することができない」
「東京の条件」のためのメモ4 | PLAYWORKS岸井大輔ブログ - 楽天ブログ

「卓越は、本性上、他人がそこにいることを必要とする。対等な人で作られた公的な領域がある必要があるということだ。教育も、創意工夫も、才能も、人間の卓越にふさわしい場所となっている公的領域の構成要素に取って代わることはできない。」
「東京の条件」のためのメモ5 | PLAYWORKS岸井大輔ブログ - 楽天ブログ

「公と私、つまり、共通世界にかかわる活動と生命の維持に関わる家族労働、の区別は、今や異常に困難である。それは、私たちが、人間の集合体や政治共同体というのは、結局のところ巨大な民族大の家政によって日々の問題を解決するある種の家族にすぎないと考えているからである。家族の集団が経済的に組織されて、一つの超人間的家族の模写となっているものこそ、私たちが「社会」と呼んでいるものであり、その政治的な組織形態が「国民」と呼ばれているものである。
例えば本来、「政治経済」という語は形容矛盾だ。なぜなら「経済的」なもの、つまり生命と生存に関わるものはすべて、非政治的な家族問題だったからである。しかし、私たちにとっては、それが形容矛盾であるとは考えられない。」
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「人間は、労働しなくても十分うまく生きてゆける。他人を労働させることができるからである。また、人間は、役に立つものをなにも作らないで、ただ先人や他人の作ったものを使い、享受しようと決意してもいっこうに構わない。たしかに、このような搾取者や寄生者は不正だろう。しかし、彼らも全くまちがいなく人間である。

ところが、言論も活動もない生活は、世界から見れば文字通り死んでいる。このような生活こそ、聖書が説いている「善」の生活であり、現れや虚栄を全て進んで断念している唯一の生活ではある。ともあれ、このような生活は、もはや人びとの間で営まれるものではないから、人間の生活ではない」
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Etc.