4月5月に見た舞台(1)MSA関連 (ββ)

少しずつ感想を書き足して行きます。

■鳥公園『家族アート』

4月21日23日(木)19:30

脚本/演出|西尾佳織 出演|森すみれ、他 照明|三枝淳 音響|佐久間修一 舞台美術|大泉七奈子 制作|塩田友克

伊藤比呂美の原作をちょっと読んでみると、この語りの面白さと舞台の質は全く異質なもので、その違いは何かまだわからないのだけど、語り方の質にこそあった魅力を内容の魅力と思い込んで、内容を舞台化すれば原作に感じた魅力が伝わるという勘違いを舞台の作り手は犯していたのではないかという気がした。

内ゲバ『毛芸』

4月25日(土)19:30

作/演出/出演|吉田麻生 舞台監督|海老沢栄 照明|奥田賢太 音響|中村嘉宏 舞台美術|仁平祐也 衣裳|田辺雪枝 制作|池亀光洋

むっちりみえっぱりの人です。去年みた騒動舎のネタを一人芝居でやったみたいな感じ。紙芝居仕立てみたいな舞台美術で、紙芝居の額縁みたいなものの中で演じる。小品集なのだけど、それぞれの小品ごとに大きな表紙の絵が緞帳みたいに舞台を隠している。それぞれ別の人が描いている。見ているときはそんなにすごいとも思わなかったけど、たいした手間だ。
あれこれ時事的小ネタを含んでいたけど、仲間由紀恵のCM収録の様子をちゃかしたような小品が、たわいない悪意を含んでいる感じで、そのたわいなさが良かった。
「少年少女」っぽいと思った。

進行役の人(紙芝居のおじさんに該当するのか、ほんとになんか力が無いみたいな若者というか)も素敵過ぎ。

むっちりみえっぱりは好きだ。

林慶一『a#4〜こころのテンポ』/ 相良ゆみ『クロコダイルの涙』

4月26日(日)19:30

照明|三枝淳 音響|佐久間修

林:社会的な人間(私)の在り方から抜け出て“本当に必要なものだけで生きる人間の姿”を模索・試行している。バンド等の活動を経て06年より舞台での活動を開始する。08年、韓国ソウル「日韓アートリレー」に招聘された。

相良:幼少よりバレエを習う。88年よりNYを拠点とする。Eiko & Komaに影響を受け、大野一雄舞踏研究所に通い始める。人間の普遍と個人体験に迫った事を作品化している。美術協力|万城目純

留学生を連れて見に行った。留学生の人が喜んでいたので良かった。

■荒野の密室『タンブリンマン』

4月29日(水・祝)18:00

脚本/音楽|増田圭祐 照明|土田翼

http://kouyanomissitsu.web.fc2.com/

明らかに、半分の長さで良い舞台。早く終わってくれたら次の用事にいけたので恨む。せめて最初に上演時間をアナウンスしてくれ。終わらせ方がわからないということの問題。

■とりととら『風景』

5月4日(月・祝)19:30

作/演出|玉邑浩二 出演|木引優子(青年団)・芝博文・飛田美紀・百花亜希 照明|taki 音響|齋藤瑠美子 音響オペレーター|楠瀬ゆず子 舞台美術|森聖一郎 舞台監督|吉村二郎

今まで見た中でワースト5に入るひどい芝居だった。作/演出がひどすぎる。体に悪い。
何がひどいかというと、作者が、創作の上で解決すべきことを解決しないことを作中で自己正当化し、その自己正当化自体がまるで時代の課題への対応であるかのように装っていることそのものが、ただの自己正当化でしかないという、まったくだらしないとしか言えない態度が、ひどすぎる、ということだ。
ただのナルシスティックな自己慰撫の垂れ流しに近いことを、舞台の仕掛け演劇という制度、さらには出演者(!)や協力者の好意に甘えて、行っている。最悪に近いひどさと言うほか無い。

■岸井大輔『天才』

4月30日(木)
ポタライブ新作。小品。蜻蛉玉公演にあわせて上演。
弔い。

■蜻蛉玉『すこし、とまる』

4月30日(木)19:30

脚本/演出|島林愛 出演|荒川大・上村梓・神林裕美・熊埜御堂彩・小松留美・シトミマモル、他 舞台監督|藤本志穂 照明|三枝淳 制作|三橋由佳

島林さんは、いっそしばらく自作自演の一人芝居を追求したらよいのではないかと思った。絵本のリーディング一人芝居しながら、泣き出したり、駆け回ったりしているのをみて、この人は総天然北島マヤか!と思ったものです。