マンガ

作中現在がずれていく(2)―『ガラスの仮面』と演劇史―

作品完結が長引くと作中現在がずれてしまうって話でいえば、リアルな現在の方にあわせちゃった『ガラスの仮面』がすごいことになってたんだった! それにしても昭和から続いているマンガで携帯電話を出すのはやめてほしかった。全体の雰囲気としては昭和っぽ…

「ミシ」、あるいは時間のコントラストについて

『大金星』の表紙には「ミシ」がいますね。表紙の女の子は集中には出てきませんね。大金星 (アフタヌーンKC)作者: 黒田硫黄出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/09/22メディア: コミック購入: 8人 クリック: 39回この商品を含むブログ (101件) を見る問題は…

編集者と蜜月の件

このあいだうまれてはじめて「マガジン」買いました。福満しげゆきの短編が載ると聞いたので。マガジンに載った件の『東村山あたりの夕日』ですが、福満の良いところがうまく出ていて良かったですね*1。初期の居候老人猫ものとか、彼魚とかみたいな、とぼけ…

漫画家と仕事/福満しげゆきと冨樫義博

バイト情報誌「maido! DOMO!」の表紙で福満しげゆきをはじめて見たときの衝撃を忘れない。 20回目の表紙は福満しげゆき先生でした! | バイト・アルバイト情報誌maido!DOMO!の謎☆しばらくマンガをチェックしていないあいだにまったく新しいスタイルのマンガ…

近代批評としての『YASUJI東京』

このあいだ杉浦日向子の『YASUJI東京』を読んで、これはマンガによる批評だと思った。YASUJI東京 (ちくま文庫)作者: 杉浦日向子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2000/03/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (23件) を見ると思…

やまだ紫と松本充代

中野の古本屋でやまだ紫の『空におちる』が売っていたのでしばらく前に買っていた。空におちる (カワデ・パーソナル・コミックス (1))作者: やまだ紫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1985/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見るちょっ…

『デボネア・ドライブ』

2008年一番の収穫(マンガに限らず)は朝倉世界一の『デボネア・ドライブ』じゃないかと思った*1。デボネア・ドライブ 1 (BEAM COMIX)作者: 朝倉世界一出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2008/09/26メディア: コミック購入: 9人 クリック: 74回この…

『闇金ウシジマくん』読んだ

今日は休みで、ネットにあれこれ書き込んだりして漫画喫茶にでかけ、『闇金ウシジマくん』を読んでえげつないなあと思って家にかえったらクローズアップ現代で貧困ビジネスの話題を取り上げていて、法の隙をついて貧困者から金をまきあげる現実のビジネスも…

HUNTER×HUNTER 26巻

キメラアント編も延々続きますが、あと2巻くらいかけないと話が収束しないよね。来年中には終わらせてほしいものだと思います。 しかし、HUNTER×HUNTERの伏線の置き方はすごくて、蒔かれたままで刈られてないことがたくさん残っているので、生きているあいだ…

福満しげゆきの塗りつぶし

来週でいよいよ『僕の小規模な生活』の連載が終わり。毎週の楽しみがひとつ減ってしまうな(まあHxHが再開するから差し引きゼロか)。 今回は、大槻ケンヂの思い出(をインタビュアーに話せなかった)という話。二巻に収録されるだろう再開後の週間連載で興…

『マンガは変わる』伊藤剛著

『テズカ・イズ・デッド』をやっと昨日読み終えました。議論が錯綜した本で、抽象化とか図式化とかの水準がしっちゃかめっちゃかで、苦労してフロンティアを開拓したんだなって感慨が残るけど後世に読むひとにとっちゃやっかいな本だろうね。すごく短いスパ…

ジートゥ瞬殺の件

一撃で潰されてしまったジートゥさん、合掌。あなたみたいなキャラを失ったことは、ハンターコメディ部として残念でなりません。 http://d.hatena.ne.jp/kingworld/20080419#p3 いかに死に様を描くかというのがこのマンガのひとつのテーマじゃないかという気…

吾妻ひでおと日記について

最近になって初めて『失踪日記』を買って読み、『うつうつひでお日記 (単行本コミックス)』と立て続けに吾妻ひでおの日記ものを読んでいた。「うつうつ」が出たのが去年の今頃だったな、市ヶ谷駅前の私鉄系本屋に平積みしていたのを思い出した。それで、便乗…