『闇金ウシジマくん』読んだ

今日は休みで、ネットにあれこれ書き込んだりして漫画喫茶にでかけ、『闇金ウシジマくん』を読んでえげつないなあと思って家にかえったらクローズアップ現代貧困ビジネスの話題を取り上げていて、法の隙をついて貧困者から金をまきあげる現実のビジネスもまたえげつなく、それを正面から取り上げたNHKは、昨夜のカンブリア宮殿よりもよっぽど良心的だろうななどと思った。

闇金ウシジマくん』って伊集院のラジオで、闇金ウシジマくんフィギュアがついた食玩があったら、というネタをやっていたときに、そういうマンガ自体が架空のネタなのかと思っていたら、ほんとにあったのでびっくりした。
僕の小規模な生活』1巻の末尾で「僕」が読んでいる「ウシジマくん」ってどんな漫画かと思ったらこれだった。

このあいだ始まったタクシードライバー編をちらっと連載で立ち読みしたけど、タクシー会社の描写はかなりリアルでした。僕は、仕事でタクシー会社に出入りしていたのでわかるけど、かなり綿密に取材している。原作名とかのクレジットは無いみたいだけど、複数のアドバイザーなりリサーチのスタッフがついていると思われる。タクシー会社の中の写真がないと描けない風景描写だったけど、どうやって撮影許可を取ったのか。『ウシジマくん』の名前は出さずに交渉した写真を横流ししたのかもしれない。

なんか、先の方では展開が変わっていくみたいですが、今日読んだのは4巻まで。
http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20080904
どういう人が喜んで読んでいるのかとおもったけど、こういう人か。

なんというか、丑島の会社のストーリーと考えるとはじめから破綻しているというか迷走しまくりだけど、いちいち出てくる弱者の弱みの描き方がほんとに痛いところをついてくる感じで、わがことのように痛い。

作者の言葉。

街で人が話している時に聞き耳を立てて、聞き手の反応と話し手の語尾に注意して聞くんです。作品中の言葉はそれをもとに書いてますね。テンパッた人は必死になんとかしようと行動している。そこに好感を持って描いているつもりです
http://r25.jp/magazine/ranking_review/10006000/1112006100515.html

マンガの表現技法としては、カメラが移動するみたいなゆがんだ遠近法とか、白っぽい画面で強調される闇と光のコントラストとか、執拗な目の描写とかが、ざらついたリアリティをかもし出しているってところだろうか。白黒を基調にした背表紙デザインと、一見かわいらしいタイトルロゴが怖さをかもしだしている。