絵画

蕪村 闇

古典を読むというのは、読まれてきた古典を読むということで、古典が残されてきた歴史を抜きには読めないということでもあって、自分と原典の間にいる人々の多くがずいぶん昔に死んでしまっていたりする。その間に無数の消えていった文字がある。*1与謝蕪村…

フェルメールを見る(付き添って)

かつてネットで知り合った旧知の人おたべさんがフェルメール展を見に上京するというので、お供した。平日だけどたまたま仕事は休みだった。30分待ちの入場制限はあったけれど、それほど混雑はしていなくて、同時代の画家については前の人の頭越しに流してみ…

「対決巨匠たちの日本美術」展の蕪村

MIHO MUSEUMの蕪村展を見に行って「夜色楼台図」に感動した話を書きました。 http://d.hatena.ne.jp/yanoz/20080701/p1 国立美術館の「巨匠たちの日本美術」展に蕪村も展示されていると聞いて見に行った*1。今回の展示で蕪村は、池大雅と対決させられている*…

与謝蕪村の夜色楼台図

もう7月。ちょっと前の話になりますが、GWに MIHO MUSEUM に行ってきました。もちろん蕪村展がおめあて。某宗教団体がやってるというのは知っていたけど、館長が辻惟雄さんだって後からわかって納得*1。とても趣味の良い美術館で常設展示も楽しめました。 辻…

銀座……私、etc.

仕事で銀座に行った。話がすぐ終わったのでオフィスに帰る道すがら、ギャラリーに何件か立ち寄ってみた。銀座の画廊っていっても、ピンきりで、「現代美術」って感じから「洋画」って感じまでいろいろだけれども。大学院生時代に『etc.』を片手に表参道近辺…

クレーの20世紀

出張前に時間があったので、新幹線に乗り込む前に大丸ミュージアムのクレー展をちょっとのぞいてみた。あのくらいのスペースで、あのくらいの点数で、数十分、ちらっとクレーの絵を見られるというのは、なんだかとてもしあわせなことだ。クレーの絵を見てい…

六本木で展覧会をはしご

六本木に出かけたついでに、六本木ヒルズの美術館に行ってきた。・中国美の十字路展 後漢から盛唐へ+Follow Me新しい世紀の中国現代美術なんか、古代と現代が並んでいるという奇抜な企画(二つでセットの展示でチケットも一緒)。中国の現代美術とか、あんま…

マトリックスとボナール色

『マトリックス』テレビでやっていたので見た。思っていた以上に中身の薄い映画だったので驚く。キスで復活って・・・・。一番印象深かったのは、予言者の部屋の色彩設計ですね。あそこの演出は、日常性が逆に異様なものとして際立ってくる感じを上手く出し…

フィレンツェ展

昨日、東京都美術館の「フィレンツェ 芸術都市の誕生」展を見てきた。なかなか良い企画展だった。展示は、都市/絵画/彫刻/金工/建築と居住文化/織物/医学/科学、と8つのセクションに分かれているのだけれど、それぞれのセクションの冒頭に、石に職業…

色の深さ-マティス展を見る

『絵画と現代思想』の酒井健先生が「マティス展是非見てください。たのんだよ。」とかおっしゃっていた。知人でも「良かった」と言っている人が多かったので、見に行っておこうと思った。マティスって、「なんたら美術館展」みたいなのとかで目にする機会は…

グッゲンハイム美術館展に行ってきた

メルロー・ポンティのセザンヌ論を読むゼミの先生が繰り返し話題にしていたので、見に行ってみた。印象派からポップアートまでの主要な画家のを並べましたという感じで、そんなに派手な作品は無かったけれど、さすがに粒ぞろいで、近代から現代までの流れを…

またボナールを見ることができた

金曜日には、損保ジャパンビルの美術館にボナール展を見に行ってきた。ボナールは、好きな画家なのだ。 たしかにゴッホやセザンヌよりも格は下だろうとは思うのだけれど、紫がかった色調が背景に混ざってくる様子などに、独特の質感があって、謎めいている。…