またボナールを見ることができた

金曜日には、損保ジャパンビルの美術館にボナール展を見に行ってきた。ボナールは、好きな画家なのだ。
たしかにゴッホセザンヌよりも格は下だろうとは思うのだけれど、紫がかった色調が背景に混ざってくる様子などに、独特の質感があって、謎めいている。大岡信の詩に「ボナール色」という言葉を使っているものがあって、ボナールを知らない時に読んでとても気になったものだ。たしかにボナール色とでも言うほか無いような微妙な色調というものがあるような気がする。

今回の展覧会では、個人蔵の作品も多くて、それなりに見ておいてよかったのかもしれない。
ボナールがバレエリュスのポスターを描いたものがあったりしたほか、ジャリの「ユビュ王」の美術などを担当していた事をはじめて知る。(いや、以前のボナール展でもそういう年表を見ていたのかも知れないけれど、そのときには「ユビュ王」に特別の関心はなかったのだろう。)

常設展示のセザンヌを見て、やっぱり格が違うな、と思ったりしたあと、いやいや、それも何か神話に騙されているかもしれない、とボナールを見直してから帰った。グランマ・モーゼスの絵もついでに展示されていて、見てきた。なかなかかわいいものだ。