六本木で展覧会をはしご
六本木に出かけたついでに、六本木ヒルズの美術館に行ってきた。
・中国美の十字路展 後漢から盛唐へ+Follow Me新しい世紀の中国現代美術
なんか、古代と現代が並んでいるという奇抜な企画(二つでセットの展示でチケットも一緒)。
中国の現代美術とか、あんまり興味がもてなくて、それだけだったら見に行かなかったところ。
最近新シルクロードで流行の中国古代美術というところですが、個人的には万葉集関連の読書を進めてきたので、山上憶良が留学した中国の文化に触れてみたいという動機。
後漢のあと、遊牧民族が侵入してきて、唐にいたるまでの歴史はいままで断絶として捉えられがちだったのが、中国の文明が西域とかに開かれて漢の文化が豊かになった過程として最近捉えなおされているのだとか。
なかなか見ごたえあって、歴史のダイナミックな展開に触れた気分。
「フィリップス・コレクション展」
それで、その下の階でやってた「フィリップス・コレクション展」もみてきた。ひとりのアメリカ人コレクターが集めた西欧美術、19、20世紀が主だけど、エル・グレコもあった。
この手の「なんたら美術館展」って、散漫な印象になりがちだけど、選ぶ基準がしっかりと一貫している感じで、いろんな画家の絵が並んでいるのだけど、小粒ながらも光るものがある作品が厳選されている風だ。
セザンヌとか、四点だけだけど、自画像、静物、人物、風景(最晩年の抽象画みたいなの)とあって、きちんとセザンヌの核心を押さえていると思った。
ボナールがみられたのも良かった。「棕櫚の木」という作品は、いままでみたボナールのなかで一番好きになった。
個人的にはルーブル美術館展よりも良かったな。
ルーブル美術館展みても、フランスの19世紀のアカデミックな絵画なんて退屈だという偏見を訂正する必要を感じなかったのだけど・・・・。
都市の模型
あと、さらにその一階下でやっていた、森ビルの広報企画みたいな、都市模型の展示もみてきた。ニューヨーク、東京、上海の同縮尺の模型。かなりつくりこんでいて、みていて飽きない。こういうのみると、あらためて、東京がだらしなく広い都市だということがよくわかる。
いつも歩いている法政大学のあたりを見てみたら、ところどころ手を抜いてごまかしているところもあるのがわかった。
でも、今は壊されてしまった学生会館の姿がそこには残されていて、ちょっと感慨深かった。