反日

『日本語が亡びるとき』を読みなおすためのレッスン#1

日本を遠く離れて暮らす日本人が、その超えがたい距離の意識ゆえに日本を懐かしく思い、日本語が自分にとってかけがえのない何ものかであると信ずるに至るといった事態がいかにも胡散臭いのは、一時的に奪われた状態にすぎない欠落を一つの絶対的な選択であ…

『反=日本語論』を読む#2 海とla mer

ところで、蓮實重彦の『反=日本語論』は、雑誌になりゆきで書いていた文章を一冊にまとめたものだってことで、雑多な話題をいったりきたりして、さまざまな角度からモザイクのように、日本語と日本語論とに対する批判的な考察が進められていく。反=日本語論…

『反=日本語論』を読む#1 パスカルと関係代名詞

思い立って蓮實重彦先生の著作の読書メモを書き継いでみようかと思います。こないだ、「『反=日本語論』って美しい書物だな」と書きましたけど、序章のパスカルの話の部分、簡潔にして無駄の無い文章だなと思って、思わず美しいなと思ったのでした。そう思…