IKEA創業者の評伝
家具業界にかかわっているというわけで
- 作者: リュディガーユングブルート,R¨udiger Jungbluth,瀬野文教
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 単行本
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イケア創業者のインタビュー本とかの1次資料をベースにしてドイツのジャーナリストが書いた本だけど、創業者イングヴァル・カンプラードの生涯と、会社の成長を編年体でたどるコンパクトながら本格的な評伝で読み応えあった。巻末に、テーマ別にイケア成功の秘訣をまとめたところもあるけど、ビジネス書というよりは、文化史の本というような印象。類書は多いだろうけど、入門編としては良い本だと思う。
創業者の祖母がドイツ圏からの移民で、ナチス支持者だったという話から始まって、イケアがナチ問題で糾弾されたりしたときのイケアの対応がどうだったかという話で終わる。
スウェーデンの社会民主党による福祉国家政策とイケアの家具がマッチした話だとか、スウェーデンの家具業界から締め出されたときにポーランドの家具工場に製造を依頼したことがその後の成長につながった話だとか、現代の政治・経済史とのかかわりが立体的に描かれていくのも興味深かった。
アーツ&クラフト運動の流れを受けたスウェーデンの芸術家カール・ラーションがスウェーデン様式の家具デザインの起源だという話もあって、ふむふむ。