『対話の教室』

対話の教室―あなたは今、どこにいますか?

対話の教室―あなたは今、どこにいますか?

写真家の橋口譲二とその元アシスタントでノンフィクション作家でもある星野博美がインドの貧しい村や都市、東京で10代を対象にはじめて行ったワークショップの記録。
このときの試みが、今も継続されているようだ。
apocc.org - このウェブサイトは販売用です! -&nbspAPOCC 橋口譲二 星野博美 ミトローパ 17歳の軌跡 視線 BERLIN リソースおよび情報

とりわけ、労働に追われて教育も十分に受けられないインドの難民キャンプのような村の子どもたちにカメラを預けて、写真を通じて感受性を解放する自由な時間を経験するよう促したワークショップの記録は感動的。そういう営みが世界を変える可能性に橋口氏、星野氏が魅力を感じていった過程も丹念に記録されている。

それにしても、人と関係を持つということは、なんとデリケートで恐ろしいことか。ほんの些細なことでお互いの距離がぐっと縮まることもあれば、その逆に気持ちがすっと引いていくこともある。ワークショップは生き物なんだ (p.169)

感情的な対立が起きることもためらわずに本音で受講生とぶつかっていく橋口氏の人柄が浮き上がってきて、写真家としてのスタンスがはっきりと印されている。表現者としての初心に向き合うプロセス。