ポタライブワークショップ その1

yanoz2007-04-22

 
 いろいろ思うところがあり、ポタライブのワークショップ初級の5回シリーズを第二講から受ける。講師はポタライブ主宰の岸井さん。第二回目のテーマは『観察』。一回目はお試し的な意味もあるので省略してもOKなんだとか。

 駒場東大前駅に集合して、表ではなく裏の入り口から東大の構内へ。まず、気になるものを携帯電話のカメラで撮ってゆく。そして、その中から一番気になるものを選ぶ。写真は私が選んだ一番気になるもの。あるはずも無いところに放置されているあり方、人工物が自然の中に溶け込まずにある感じが印象深い。

 そして、参加者それぞれが、一番気になるものの前で、「人生の中で自分が一番長く行ってきたこと」と、自分が選んだ気になるもの、との関わりを語る、という課題を行う。それぞれの話が一通り終わったあとで、「観察」を行う。

 「観察」は、R、マリー・シェーファーが『サウンドエデュケーション』で紹介している課題を踏まえたもので、参加者がどんな音が聞こえたか、聞こえた音をメモしていく。手当たり次第に書いていくと、それぞれ参加者に聞こえてくるものが違うということがわかってくる。そうした仕方で、創作の入り口で重要となる対象に真摯に向かいあう態度について参加者それぞれが自ずと目を開かれていくといったワークショップになっている。

 春も終わりののどかな一日、グランドにはさまれた並木のある土手で遠くや近くの音に耳を傾けている静かな時間。
サウンドエデュケーション
 出演者が「観察」の状態に入っていれば、それを見るひとも自ずと観察しはじめて、普段見えないものが見える状態になっていくのだ、などなど、演技とか舞台演出上も観察の手法が有益であると語る岸井さん。

 観察について理解したあとで、もう一度、自分が選んだ「気になるもの」と自分とのかかわりを語る。

 ゴミと芸術作品は、社会におけるあり方が似ているのではないか、といった思弁にふけっていたことがあって、ハンガーをみてそのことを思い出した。
 人工物が意図せざる仕方で、何の目的とも経済とも政治や法律とも離れた場所に忘れ去られている。ただの物が、自然に帰ってしまうわけでもなく、誰の所有物にもならないような仕方で、社会の中にあるような場所がある、といった話をしてみた。

 私は、選んだものをじっくり観察することで、それが「IKEA」のハンガーであることに気がついた。デザインに特徴があることがわかった。少しは、話に具体性が出たみたいだ。はじめはなしたときには、手に取ったりはしなかったが、しげしげと観察してみたあとでは、話しながら手にとってみたらどうかと思い、不自然でなく語りながら手にとって、また、放り投げるということをしてみた。

http://plaza.rakuten.co.jp/kishii/diary/200704220000/