オトギノマキコ/秀島実

7月18日、ダンスがみたい7のプログラム、原田広美さん推薦のオトギノマキコ/秀島実の公演を見てくる。

・「脱臼するメルヘンは内側のテトリス」構成・演出・出演=オトギノマキコ
なかなか繊細なダンスを見せてくれた。白いブラウスに濃紺のスカートという出で立ちで、衒いのない、しかし、ある種のキャラクター性はかもし出されているような感じ。

ドロップをジューサーにかけて、その音だけで踊ってみたり、ドロップの缶や、ジューサーからこぼれてしまったドロップの粒粒が床にころがっていて、そういうものも舞台美術的に活用していたり、ハツカネズミをつれてきて、足の甲でそれをはこんでいったり、こぼれたドロップを口じゅうにほうばって踊ったり、そういう、はかなげなものを巧みに配置して作品化していく手つきからは、舞台作家としてのゆるぎない感覚を持っているのだなあと思わされる。

映画版「風の谷のナウシカ」のテーマソングで踊る場面は、メロディーをなぞることなく、しかし鋭敏に旋律に反応している印象で、なかなか見ごたえがあった。くちずさみながら踊っているようだった。いまその曲をもってくるというセンスも良いと思った。

・「夜のため」出演=秀島実 サキ(DA・M)
女優による朗読にあわせてのダンス。いささか大げさな朗読は、漱石「それから」とサルトル「嘔吐」からの抜粋だったもよう。朗読で描かれる場面に、踊られるキャラクターが浮かび上がるみたいな構成。秀島さんのダンスは、独特のアクみたいな質感があるというか、こってりした印象があって、なぜかルー王柴の仕草とかを連想してしまうのだった。

(7/24記す)