遅ればせながら参考文献表

ジンジャンの『RとJ』についてのレビュー
http://www.jade.dti.ne.jp/~stspot/Mag/28th.htm
を書いたとき、参考文献リストを付けようかなと思って、でも英語の本だし、いろいろ煩瑣だし、やめておくか、ということに結局なったのだけれど、それでも手の内を隠しているみたいなのも嫌だなあと事後にもいろいろ優柔不断にしていたりした。

というわけで、昨日部屋の片付けをしていたらメモが出てきたので、この機会に手の内を明かしておく。

ロミオとジュリエット』をめぐる文献を調べてみると、前半喜劇的に始まり、後半悲劇となると指摘されたり、悲劇的な要素と喜劇的な要素を融合しようとした作品である、としばしば解釈されている。

この部分について参考にした本は何冊かあるのだけど、とりあえず次の本だけあげておけば十分だろう。

Jay L.HALIO "ROMEO AND JULIET A guide to the play"
http://www.booksearch.nu/0313300895
http://www.questia.com/library/book/romeo-and-juliet-a-guide-to-the-play-by-jay-l-halio.jsp

英文学とか演劇とか専門じゃないんですが、母校の図書館でいろいろ調べている間に、高校生、大学生向けみたいな教科書的なシェイクスピアの作品分析をしている本が何冊も出ていることに改めて感嘆した。最低限の演劇に対する知的なアプローチの土壌という点で、その層の厚さという点で、英米と日本の格差はとても大きいんじゃないかという気がしたのだけど、どうだろうか。

ダンテが描いた地獄や煉獄のイメージとの関連も指摘される後期ベケットの作品においては、死は、むしろ死者に執拗につきまとうものとして提示されているとは言えないだろうか。

これは、次の論文を踏まえている。

"Dead heads :damnation-naration in the 'dramaticules'"
in "The Cambridge companion to Beckett" / edited by John Pilling
ISBN:0521424135