『沈黙のトークショー』の続き

岸井さんが沈黙のトークショーの続きを書いている*1

妄想を現実にする快楽がある。この快楽は自己満足が目的だ。にも関わらず、実現したとき他者を動かすことがある。
(略)人前で妄想を形にしたあと、他者をうごかせるかどうか、予測は立たないのだ。だから、この活動は賭けの感覚を伴う。賭けは、失敗を予感させるので、失敗の予感がない場合にはこの活動はなりたたないことが多い。
そんな理由もあり、妄想にはブレーキがかかる。(略)ブレーキをはずしながら妄想通り正確に動くためには技術が必要となる。(略)
妄想と実現と他者の間で、賭けの感覚を継続し、快楽を得続けること。この困難になるしかない道を動く感覚をplayと呼ぶことができそうだ。
(略)管理技術が世界を現実的に覆い始めた現在、playする困難さは増大していると感じられてならない。だが、逆にplayを阻む現在の状況こそ、play作家にとって、攻略し快楽を増大させるすばらしいステージとも言えるのではないか?
沈黙のトークショーで話したこと(12月1日改訂版・これで確定) | PLAYWORKS岸井大輔ブログ - 楽天ブログ

「虚構」っていうとスタティックになってしまいますが、「妄想」っていうと、ダイナミックですね。そうかそうか。こどものもうそう・・・・。

あと、
http://d.hatena.ne.jp/kotorikotoriko/20081201/1228091980
件のレジの超人おばさんの話に岸井さんがコメントしてた。

この話、コトリコさんが、

)それの内容が実に厳しくて、嫌な感じでした。

と書いているとこに、僕は興味をひかれます。

前半で「ババア」後半で「オバサン」といわれている人が、新人に仕事を教えるときの態度を、周りから見ると仕事に対する誇りが感じられなかったんじゃないかなあ、と。
こどものもうそうblog

実に劇作家。こわい見方よね〜。

この件、あれこれ考えてしまいます。

*1:「岸井版沈黙新聞」って、「沈黙新聞」と称して当日会場で議事録をコピーして実費で配布していたのですね