OM‐2 『作品No.3』

初日の公演を見る。

出演=佐々木敦、中井尋央、柴崎直子、丹生谷真由子、村岡尚子、他
構成・演出=真壁茂夫 舞台美術=池田包子 舞台監督=長堀博士 照明=内山洋子
音響=斎藤瑠美子

ミュラーのテクストを使うということで言えば、前作の方が良かったと思う。
それは、テクストの全体が見渡せるような愚直な使い方をしていたからこそ、ミュラーのテクストを現在の日本で上演することの落差を様々な仕方で見て取ることができたということだ。

今回は断片化してしまっていて、作品全体のコンセプトの中でその断片が断片として生かされていたとは思えない。

ハムレットマシーンの、オフィーリアの独白は、どのように上演されても力のあるものなのだなあと思ったりはした。

しかし、スペクタクルの中にパフォーマンスが埋没してしまうような展開は、私としては支持できない。

政治性の欠如。つまり、政治的な内容を作品に取り込んではいるけれど、芸術作品(この場合は上演)が政治的にどのような作用をなしえるものかについては、無反省なのではないか、と思われる。

真摯なパフォーマンスに、心打たれるところはあったけれど。


http://girafeeye.exblog.jp/2300969/

こういう感想を書いている人がいて、メンタリーショッキングという演劇祭のコンセプトが素直に受け止められているじゃないか、と思う。

でも、結局、ショックを与えることしかできない舞台になってしまうのだとしたら、やはり、何かが欠けているということなのだと思う。

一言レビューにもいろいろ感想があって
http://dx.sakura.ne.jp/~nnn/play/
作品No.3 で検索すれば通覧できる。